腰椎椎間板ヘルニアの手術
腰椎椎間板ヘルニアの基本的治療方法は保存治療ですが、保存治療で改善が見られず日常生活に支障がある、排尿・排便が困難な膀胱直腸障害がある、重度の神経症状(運動麻痺・知覚麻痺)が治らない場合に手術が行われます。
腰椎椎間板ヘルニア手術の種類
○ラブ法(LOVE法):腰椎椎間板ヘルニアで一般的に行われている手術です。全身麻酔をして背部を5~6センチほど切開し、脊椎の一部を削り脊髄神経を圧迫しているヘルニアを切除・摘出する手術です。1~3週間の入院になります。
○内視鏡下ヘルニア摘出術(MED法):全身麻酔をして背部を1.5センチほど切開し、内視鏡と外筒管を挿入して画像を見ながらヘルニアを切除・摘出する手術です。傷口も小さく1週間~10日の入院ですみますが、高度な技術が求められます。
○経皮的髄核摘出術(PN法):局所麻酔をして、背部に直径4ミリほどの管を刺して鉗子を入れて、X線またはMRの透視下で髄核を摘出することで椎間板の内圧を下げ症状を軽減させる手術です。欧米では日帰り手術として行われていることもあります。
○経皮的髄核減圧手術(PLDD法):皮膚の上から直系数ミリの針を刺して、椎間板の中の髄核に高出力レーザーを照射して蒸散させ、神経を圧迫している椎間板の内圧を下げて症状を軽減させる手術です。発症一年以内が効果的といわれています。手術時間も短く入院の必要はありませんが、隣接組織への副作用や合併症の懸念があり、また健康保険適応外です。
○脊椎固定術:大きなヘルニア摘出や残った椎間板によって不安定になった脊椎を金属片で固定する手術です。